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林 欣儀
この作品が表現したのは色弱者から見えている世界である。きっかけは白内障を患った祖母の介護生活を通して視覚の重要性を感じたことにある。統計から東アジアの男性は欧米の男性より弱視者の率が高いことがわかった。日本の色弱者は300万人を超え、男性が20人に1人、女性が500人に1人である。最近ではデジタルメディアや印刷の技術が目覚ましく進み、日常的に目にする色彩の幅が広くなってきた。そのため、色弱者に正しい情報を伝えることは大切だと考えている。例えば、交通路線図は路線、地域などを分別するため、色弱者にとって判別しにくい赤系や緑系の色彩も使用されている。私はこの作品を通し、色弱者に見える世界を広く一般に伝え、色弱者に対するユニバーサルデザインの関心を高めたいと思っている。同時に、「様々な色がわかりにくい」、「不便なことが多い」などマイナスなイメージだけでなく、色弱者が見えている世界と一般色覚の世界が出会うことの面白さも表現したいのである。
この作品の主人公は色弱者のゆうさんと一般色覚者のシイさんのカップルである。カップケーキの店で鮮やかなピンク色のクリームを見て、シイさんは可愛いとは思うが美味しいそうには見えない。一方、茶色に見えているゆうさんにとっては、コーヒー味やチョコ味などを連想させて美味しそうに見える…大阪から京都への日帰りデート、映画デート、花火大会での浴衣デート。見えている色が違っていても、それを話題にして多くの楽しい時を過ごしている。ずっと一緒にいたふたりが、生活の中で特に不便なことはなく、お互いを支えながら未来を歩いて行こう、と結婚を決める等身大のシンデレラストーリーである。
一年以上、ふたりからの協力を得て取材して制作できたことに感謝している。この作品で、一つの色彩を様々な見え方で見る人がいることを伝え、統計や情報としてだけでない「色弱者」への深い理解を社会全体に促していきたい。
この作品の主人公は色弱者のゆうさんと一般色覚者のシイさんのカップルである。カップケーキの店で鮮やかなピンク色のクリームを見て、シイさんは可愛いとは思うが美味しいそうには見えない。一方、茶色に見えているゆうさんにとっては、コーヒー味やチョコ味などを連想させて美味しそうに見える…大阪から京都への日帰りデート、映画デート、花火大会での浴衣デート。見えている色が違っていても、それを話題にして多くの楽しい時を過ごしている。ずっと一緒にいたふたりが、生活の中で特に不便なことはなく、お互いを支えながら未来を歩いて行こう、と結婚を決める等身大のシンデレラストーリーである。
一年以上、ふたりからの協力を得て取材して制作できたことに感謝している。この作品で、一つの色彩を様々な見え方で見る人がいることを伝え、統計や情報としてだけでない「色弱者」への深い理解を社会全体に促していきたい。