大学院生作品 GRADUATE STUDENT WORKS
かげのペンギン
汎 好
本作品は、身体に障害があることを他の人に笑われ、自信を無くした子どもがふしぎな冒険をすることから自信を取り戻すストーリーの絵本である。きっかけは子どもの頃に私自身、自信をなくした体験を通して自信を持つことの重要性を感じたことからである。私は子どもの頃に足が悪かったので、歩き方がペンギンのようにふらふらしていた。そのため他の子どもにいじめられ、自信がなくなり、心が深く傷ついた。そして、自分がやっていることをすべて否定してしまい、何かをやろうという気力もなくなってしまった。現在多くの子どもたちは様々な原因で自信を無くしている。例えば、暴力事件や言葉の暴力などで、心に傷を負っている。だからこそ、子どもは将来の夢を持ち、生活していくことが大切だと思う。
作品
作品私は、絵本制作を通じて人の心の変化と、立ち直るための情報を伝える方法を探求した。
オイルパステルの顔料の特色を生かした質感で表現し、パステルで描いた画面を削って、冷たさ、雪と風の吹く強さ、キャラクターの心理の変化などを表す工夫をした。同時に、この絵本は子ども向けだけではなく、大人が読んでも何かを得られる内容にした。
本作品の主人公は人間の女の子と子どものペンギンである。女の子の主人公は自分の脚が不自由なので、明るいところに出て行く勇気がない。そのため、ずっと影の中に閉じこもり、絶望した瞬間、子どものペンギンに変身する。次に、過酷な深い雪の世界から、氷山の中のトンネルに入ていく。そこで大変な恐怖を感じたため、自分の影がモンスターのように見えてくる。もう一度絶望の淵に投げこまれた時、主人公のペンギンは影の形の変化に気づき、嫌なことに立ち向かう勇気を得たことで、人間の世界へ戻っていく話である。また、絵本の中で使われる会話は、オノマトペのような吹き出しの文字によって表現している。この二年間、作品テーマを模索し続けた私にとって、先生方や同窓の友達からたくさん貴い意見をいただいたことに感謝している。この作品の目的は読む者が子どもの心理的な状態に関心を持ち、心が傷ついた子どもに自信を持たせることの重要性、そしてどのように自信を取り戻すか考えることで、健康的な心理状態に戻すためのきっかけづくりにある。
作品