なんのなる木?
鶴丸祐子
自由自在に光の射す方へと伸びてゆく木の枝。頭上を覆う数えきれないほどの色とりどりの葉。澄んだ空気のなかで、どこからともなく聞こえてくる草木のざわめき。森の内と外で違う、凛とした時間の流れ。小さな体全身で力いっぱいうけとめた、神秘的な自然の力。これは幼かった頃、森のなかで遊ぶことが大好きだったわたしに残る自然の記憶。わたしは制作をしているとき、この幼い頃の自然の記憶をいつも無意識にたどっているように感じる。
この森のなかでいつもわたしに語りかけてきた問いがある。
「 この木は何の木? 」
森のなかで過ごすとき、誰もが一度はこの問いを感じたことがあるのではないだろうか。
「 この木は何の木? 」
森のなかで過ごすとき、誰もが一度はこの問いを感じたことがあるのではないだろうか。
この何気ない問いは、わたしに想像して遊ぶことの楽しさと無限の可能性を教えてくれた。わたしたちが生まれるずっと前から、森にはたくさんの木の精霊たちが住むと言われ、神聖な場所として大切にされてきた歴史がある。
どんなものでも願えばそこにある。ただ見えないだけ。わたしは目の前の木が何の木なのか想像することで、目に見えない木の精霊たちと遊んでいたのかもしれない。
自然という存在が遠のいていくように感じる現代で、想像することで自然と寄り添って共生していくことができるなら、この世界はもっと神秘的で輝きに満ちた素敵な世界に見えるはず。この作品を通して想像力で自然と遊ぶことの楽しさを感じてもらえたら嬉しい。
自然という存在が遠のいていくように感じる現代で、想像することで自然と寄り添って共生していくことができるなら、この世界はもっと神秘的で輝きに満ちた素敵な世界に見えるはず。この作品を通して想像力で自然と遊ぶことの楽しさを感じてもらえたら嬉しい。