3年 ヒーリング・アートプロジェクト演習 (「絵本の向こうに人がいる」対象研究からの絵本制作プロジェクト)2016

NEWS, 授業ナウ, 3年.

現代社会において、アートとデザインが社会とどのような形で関わるのかを、「ヒーリング」をコンセプトに考え、公共空間における様々な可能性を探り、またプロジェクトをどう実践していけば良いのか、その方法について模索していきます。ヒーリング・アートプロジェクト演習2016では都内2カ所の病院と、保育施設の3つに分かれて、それぞれのヒーリングアートプロジェクトを展開しました。

「絵本の向こうに人がいる」対象研究からの絵本制作プロジェクト・赤ちゃん絵本

赤ちゃんは絵本を読んでくれる人に安心感を覚え、愛情ある時間を楽しみます。この経験によって赤ちゃんの人との信頼関係が育くまれると言われています。ヒーリングの観点から、絵本には人の心に働きかける効果があり、子どもから大人までどんな人にも安らぎや想像性を与える力があります。

このプロジェクトでは、区内の幼稚園、保育園などの協力を得て、異なる一般常識や言語も通用しないユニバーサルな存在としての0〜2歳未満の赤ちゃんが求めていること、必要なことを、実際の観察から導き出し、多様な赤ちゃんがそれぞれ楽しむ方法を見つけることが出来る、赤ちゃんに寄り添う絵本を考え、既成の絵本を越えた新しい提案をすることが課題でした。既成のイメージからではなく、学生たちが赤ちゃんにとって必要なことを実感するため、成長段階や観察のポイントを学んだのち、実際に杉並区内の保育園、乳児院へ出向き、また親子に大学の教室へ来てもらって実際に赤ちゃんとふれあいながら観察を行ないました。そこからテーマを導き出し、グループあるいは個人で企画を始めました。この絵本に取り組む社会的な意味も考えました。

 

▼赤ちゃんの文化・あそびの体験、絵本の読みきかせ

▼制作風景

制作途中では保育園、乳児院などでそれぞれの制作中の絵本のプレゼンテーションをおこない、アドバイスをいただき、さらに検討・試作を重ねました。

▼制作した絵本のクラス内発表、意見交換

 

 

出来上がった絵本はそれぞれの施設へプレゼントして赤ちゃんの反応を観察し、保育士さんからの講評を受けました。どの絵本も喜んで見てくれる子どもたちの姿を見て、「これが皆さんの作ってくれた絵本への答えですよ」と言ってくださった保育士さんの言葉が印象的でした。

 ▼保育園等でのプレゼン

▼絵本を子どもたちにプレゼント

〈学生作品〉