今年度の「絵本制作基礎演習」は造本作家・デザイナーである特別招聘教授の駒形克己先生にご担当いただきました。駒形先生は国内外で数多くの絵本を出版され、2010年のイタリア Bologna Children’s Book Fairのラガッツィ賞をはじめ、多くの賞を受賞されています。世界中で健常者や障がい者対象のワークショップ活動も活発にされています。
今回の課題は駒形先生ご自身も以前から取り組みたいと考えていたテーマの“余命少ない子どもたちへ死を宣告する絵本”、“入院している子どもたちやその家族を励ます絵本”です。
テーマについてまずグループで討議をし、個人制作かグループ制作かを学生自身が選択して制作に移りました。
重く難しいテーマに最初はとまどっていた学生達でしたが、各々が課題に真摯に向き合い、「生死とは何か」を考え、自分なりの答えを絵本という形に表現しました。テーマは学生たちの発想で「死」から「生」へといろいろな広がりを見せました。
制作過程では駒形先生と学生がディスカッションを繰り返し、作品をブラッシュアップしていきました。装丁も絵本のコンセプトに合わせて、自由な形式で考えました。
また、授業内では駒形先生のお仕事のお話もしていただき、学生がこれからものづくりを続けて行く上で糧となる大切な授業となりました。
制作風景
講評会
完成作品
グループ制作:入院している子どもたちを励ますための絵本
個人制作:生きている証を残すための絵本