3年 ヒーリング・アートプロジェクト演習 (「絵本の向こうに人がいる」対象研究からの絵本制作プロジェクト)2018

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3年生後期、最後の授業はアートプロデュース表現領域と合同で開講する「ヒーリング・アートプロジェクト演習」です。現代社会において、アートとデザインが社会とどのような形で関わるのかを、ヒーリング・アート(癒しの芸術)を通して考え、公共空間におけるヒーリング・アートの様々な可能性を探り、その実践の方法について模索しました。

2017年度は学内の図書館、都内の病院と特別支援学校の3つに分かれて、実際の公共施設に協力いただき、現場見学、スタッフ・利用者等へのプレゼンテーションや意見交換などを繰り返して企画・制作が進行されました。

<見えない見えにくい子どもたちが楽しめるさわる絵本>
ヒーリング表現領域としての絵本の取り組みとして、2017年度に引き続いて対象に寄り添う絵本の提案です。
筑波大学附属視覚特別支援学校をコラボレーションパートナーとして、幼い段階から視覚に障害がある子どもたちのための絵本づくりに取り組みました。

学習の柱を二つ建て、一つ目は幼い頃から視覚に障害のあるこどもたちを知ること、学ぶ事。子どもの発達段階、視覚障害児教育についての講義をはじめ、幼稚部の子どもたち3~5歳と遊びながらの交流を通して観察をし、保護者や指導者のお話を伺うことも出来ました。もう一つは視覚障害児のための絵本の現状を知ること。たくさんの国内外のさわる絵本を見て、取り組み方を聞き研究しました。そこから見えない、見えにくい子どもたちに必要なことを考察し、さわることによって世界が開けるということ、触覚が優れているということを知りました。触ることは自分から外界に関わっていこうとする自主的な活動です。

積極的にさわっていくことが出来るように、「さわること、ふれることが楽しい絵本」を考え、制作しました。

制作の途中の段階で、子どもたちに実際絵本をさわってもらい、その様子から絵本のブラッシュアップを試みました。アイデアを最初から考え直したり、対象となる子どもたちによりわかりやすい素材や構造の工夫など試行錯誤を繰り返しました。

最後は、学生たちが創り出した今の絵本にはない、もっとさわることが楽しくなる試作絵本をもって、筑波大学附属視覚特別支援学校幼稚部へ伺い、子どもたちに実際にさわって楽しんでもらいました。子どもたちは学生の絵本をさわり、その絵本を楽しむ手助けをしてくださる先生方のアドバイスも加わり、作者が想定していた以上の楽しみ方が生まれ、学生たちを驚かせました。

<授業の様子>

▼視覚障害教育の基礎の講義ー幼い段階から視覚に障害がある子どもたちの理解のために

 

▼アイマスクや視覚障害ゴーグルで、視野狭窄、全盲など見えないことの疑似体験をし、絵本や地図の蝕図、おもちゃなどをさわってみました。

 

▼たくさんの国内外のさわる絵本を体系的に見て現状を学びました

 

<制作の様子>

▼さわる絵本の企画を発表し意見交換を繰り返しました

 

▼制作風景

 

<発表風景>

 

<学生作品>

 

 

 

 

 

*この授業はヒーリング表現領域とアートプロデュース表現領域の3年生合同で行われた授業です。