3年生後期、最後の授業はアートプロデュース表現領域と合同で開講する「ヒーリング・アートプロジェクト演習」です。現代社会において、アートとデザインが社会とどのような形で関わるのかを、ヒーリング・アート(癒しの芸術)を通して考え、公共空間におけるヒーリング・アートの様々な可能性を探り、その実践の方法について模索しました。
2017年度は学内の図書館、都内の病院と特別支援学校の3つに分かれて、実際の公共施設に協力いただき、現場見学、スタッフ・利用者等へのプレゼンテーションや意見交換などを繰り返して企画・制作が進行されました。
<心身障害児総合医療療育センターでのプロジェクト>
板橋区にある心身障害児総合医療療育センターは、社会福祉法人日本肢体不自由児協会が国の委託を受けて運営している総合的な障害者の療育機関です。
2014年度の企画提案「ねこのセージと仲間たち」を皮切りに、エレベーター内部、多目的スペースの掲示板、通路のウォールシールなどにヒーリングアートが実現しています。
2015年度はむらさき愛育園の吹き抜け休憩スペースへの空間装飾を行いました。
2016年度は手術室待合ロビー、第三病棟壁面へのウォールシール、むらさき愛育園エレベーターへのデザイン提案と施工を行いました。
2017年度は外来待合プレイルーム、第2病棟プレイルーム天井、廊下、本館中庭と廊下の大ガラスシールの施工。
と、毎年実施を継続し、館内の随所にヒーリングアートが施工されて来ています。
本年度はセンターから要望で、むらさき愛育園病棟内の1カ所と、整肢療護園Ⅱ病棟食堂とプレイルーム間の壁と床にシールアート実施、手術室前ガラスのシールアート、それから本館中庭の風車作り替え、妖精達の小屋や切り株ベンチなどアートの増強を行いました。
利用者さんや職員の方の気分転換になることや、利用者のリハビリ目標になるようなストーリーを組み入れながら提案してきました。
時々、施設利用の子ども達と一緒にキャラクターシールの配置を考えたり、シール貼りを行う機会もありました。
〈授業風景〉
▼ブレインストーミング
▼センターでプレゼンテーション
▼整肢療護園Ⅱ病棟食堂とプレイルーム間の壁と床にシールアート
▼むらさき愛育園病棟内 天井、柱、壁面装飾
▼手術室前ガラスシールアート
▼本館中庭の風車作り替え、妖精達の小屋や切り株ベンチ
*この授業はヒーリング表現領域とアートプロデュース表現領域の3年生合同で行われた授業です。