学生作品 STUDENT WORKS
女子美術大学

4年次

4年次卒業制作 2018
学部4年間の集大成である作品制作を行う。
各自が軸となる方向を定め、独自のテーマを設定し、卒業制作として作品を展開していく。思考・感性・表現技術の総合された表現を目指し、制作構想のプレゼンテーションや中間報告のプレゼンテーションから、自己の考えを伝える為の発表の技術とコミュニケーション能力も深めていく。
 
 
 
 

3年次

3年次アート・デザイン表現演習Ⅱ 2018

アート・デザイン表現学科4領域の特徴的な専門科目11個の授業の中から選択し演習を体験します。普段、所属する領域では学ぶことができない演習の体験を通して、新しいスキルを身につけます。ヒーリング表現領域は2つの授業を行いました。

コラージュによるイラスト表現から、大型プリンターを使ったタペストリーへの展開   ぬいぐるみ作りの基本を学ぶ

手描きによるアナログ表現からデジタル表現への変換を習得し、イラストレーションから空間演出につながるヒーリング作品を制作。
アート・デザイン表現学科の共通選択実技として、絵具彩色した紙を素材に、コラージュ技法を用いて動物のイラストを表現し、それをPhotoshopでデジタルデータ化。大型プリンターを使用して、布地(防炎マットクロス)に動物イラストを出力し、タペストリーに仕上げました。

職業としてのぬいぐるみ作りの現状を知り、布を使った立体で、今後仕事として成り立つ可能性のある分野を探ります。
初めに、基本的なボールやテディベアを制作し、そこから立体を展開図(型紙)に起こす方法を学び、オリジナルのぬいぐるみを制作しました。彩色も施し、それぞれのぬいぐるみのストーリーを思い描き、レイアウトによって出来上がってくる世界観を作り上げました。

3年次プロジェクト&コラボレーション演習 2018

メディア表現領域との合同授業で11つのプロジェクトの中から選択し、授業が進みます。
産学連携を基本として、公共団体、企業、法人等、社会とのコラボレーションにより、実現可能な目標をたててプロジェクトを立ち上げ、企画立案と運営、マネージメントを行うためにチームを編成し、問題点に対処しながらプロジェクトを円滑に進める方法を学習します。

産学連携キャラクター開発プロジェクト   ユニキャン、ユニスポ、ユニアート!

学外組織との協働による実践的な体験を通して、プロジェクトを完成させるまでに必要な発想力、コミュニケーション能力およびそれらを的確に表す表現力を獲得することを目的とした授業です。今年の産学連携キャラクター開発プロジェクトにはヒーリング表現領域とメディア表現領域の学生が参加し、コラボレーションパートナーNPOエコロジーオンラインを通して4つのキャラクター企画課題に取り組みました。

 

美術の経験や、様々な障がいの有無・年齢・国籍に関係なくどなたでも参加できる次世代ユニバーサルアートイベントを開発しました。
「アートってどうしたらいいかわからない!」「障がいのある人や年齢が離れた人と友達になれるのかな?」という気持ちをひっくり返して、それぞれの特性を認め合い、新しい関係性をつくるための仕掛けが満載のプログラムです。
第一弾『吹き出す!×フキダシ!』は、アニメと遊びと寸劇と家族愛…を混ぜたようなワークショップになりました。

心の復興支援プロジェクト “OMODOC オモドック”   バリアフリー児童図書展 in 女子美

東日本大震災発生後の2011年6月に学生達と立ち上げ継続してきた被災地支援プロジェクトです。防潮堤工事や土地の嵩上げ等、インフラ整備中心の物理的な復興は目に見えて進んでいますが、街のコミュニティーはなかなか復興できず、ここ数年は心の復興の必要性が強く問われてきています。
昨年から南相馬市、杉並区と女子美術大学との三者協定にもとづき、11月に二日間実施する南相馬子ども文化交流事業の計画立案や実行がメインになってきました。
授業では、南相馬市で実施するアクティビティの考案に加え、オモドックプロジェクトの公式キャラクター“オモドくん”を使ったチャリティーグッズ制作をしました。グッズはオープンキャンパスや女子美祭で販売し、売上げは全てを被災した子ども達の修学支援を行っている認定NPO法人カタリバへ寄付しました。

 

ヒーリング表現領域研究室は日本国際児童図書評議会(JBBY)との共催で「世界のバリアフリー児童図書展 in 女子美 -IBBY選定バリアフリー児童図書2017-」を開催しました。この展覧会の企画・制作・実施を学生が行いました。
本当の意味での障害とは?と学生たちは考え、地域や周辺の皆さんを中心により多くの人々に絵本を通してバリアフリーを広めるため、会場の動線や展示台など空間づくりの工夫、丁寧な広報、楽しいブックトークなどのイベント開催などを行いました。

3年次形態表現演習 立体制作 2018
「"おもい(想い・思い)"を包むパッケージ」

中身の魅力を伝えるために重要な役割をもつパッケージを、社会における様々な在りようから多角的に理解したうえで、紙器をベースにしたパッケージの制作を学ぶ
  3年次キャラクター制作演習 2018
病院での活用など、具体的な目的を設定したオリジナルキャラクターを制作する

「ある贈り物」をする場面を想定し、相手に対する「おもい」が具体的に目に見える「かたち」を、ヒーリングアートの視点からパッケージとして制作しました。また、立体構造を平面素材から立ち上げ、空間を構成することも学びました。

都内の大学病院小児病棟と連携し、病院ではどのようなキャラクターが必要か、また、そのキャラクターを使って小児の患者さんに親しまれる存在となるにはどのような展開が可能かを考えながら、オリジナルキャラクターのデザインとその世界観を提案する授業を実施しました。

3年次絵本制作演習 2018
人と人との関係性の中で自分らしいテーマを見つけ、心から伝えたいことを、表現する意味を、絵本制作を通して深める。
  3年次子どもの道具デザイン演習A
(ぬいぐるみ制作)2018

子どもの道具としてのぬいぐるみを企画・制作し、使い方や遊び方を提案する

絵本作家であるいせひでこ先生のご指導のもと、学生それぞれが今現在の自分自身と向き合い、本当に伝えたいテーマを真剣に考えて、絵本のストーリーボード(構成表)や原画を制作しました。

「幼児(6歳未満)のぬいぐるみ制作」と「子ども(6歳〜12歳)のぬいぐるみ」の2つの課題それぞれの子どもの成長に合わせたぬいぐるみを企画しました。そして、目的に応じた素材やデザイン、遊び、使い方を提案しました。

3年次子どもの道具デザイン演習B
(玩具のデザイン) 2018

動植物をモチーフとして感情移入ができ長く愛されるおもちゃの制作を学ぶ
  3年次壁画制作演習 2018
壁画制作演習では、実際の公共空間との恊働により院内や屋内外空間に壁画を制作・設置し、公共空間における環境作品の制作を通して、アートとデザインがいかに社会生活において重要であるかを学ぶ

動植物を観察し、愛おしくかわいらしいフォルムや表情を抽出しながら、生活シーンに寄り添い、長く楽しめる普遍性を持った遊具やおもちゃについての研究をしました。そこから、オリジナリティのある面白いアイデアと美しさを備えたおもちゃを、シナベニヤ等の木材を中心に使用して創作しました。完成した作品は、生活空間の中で使われるシーンをイメージしながらディスプレイを工夫して、展示プレゼンテーションを行いました。

女子美術大学図書館からのご依頼で、2号館学生ロビーからの図書館入口付近の壁画を制作しました。
図書館は多様な知識と情報を得られる場所なのでその特徴を活かして図書館に誘うことを目指して壁画を描きました。ジャックと豆の木、宇宙、海、エドガー・アラン・ポーの詩、トロンプ・ルイユの世界に広がる扉を制作しました。

3年次ヒーリング・アートプロジェクト演習 2018

現代社会において、アートとデザインが社会とどのような形で関わるのかを、「ヒーリング」をコンセプトに考え、公共空間における様々な可能性を探り、またプロジェクトをどう実践していけば良いのか、その方法について模索していきます。ヒーリング・アートプロジェクト演習2018では、都内の病院と、特別支援学校の3つに分かれて、それぞれのヒーリングアートプロジェクトを展開しました。

都内の大学病院でのオリジナルキャラクターデザインを使ったプロジェクト   心身障害児総合医療療育センターでのプロジェクト

都内の大学病院小児病棟と連携し、ヒーリング表現領域前期授業「キャラクター制作演習」で提案し、採用となったキャラクターをベースにして様々な企画を考えました。
病院でのオリジナルキャラクターの様々な展開方法を探り、グッズ展開を目的として企画と現場での活用を提案しました。
子どもと子どもの周りの人とのコミュニケーションを取りやすくする、貯めて交換ご褒美セットや、楽しく、リラックスして過ごせる環境を作るためのウォールステッカー、手洗いポスター、メッセージカードなどの提案をしました。

心身障害児総合医療療育センターと連携し、第2病棟廊下と壁面、むらさき愛育園プレイルーム、手術室前、中庭とその付近の窓の装飾を企画し施工しました。
利用者さんや職員の方の気分転換になることや、利用者のリハビリ目標になるようなストーリーを組み入れながら、提案しました。時々、施設利用の子ども達と一緒にキャラクターシールの配置を考えたり、シール張りを行う機会もありました。

「絵本の向こうに人がいる」対象研究からの絵本制作プロジェクト    

<見えない見えにくい子どもたちが楽しめるさわる絵本>
ヒーリング表現領域としての絵本の取り組みとして、対象に寄り添う絵本作りの提案です。
筑波大学附属視覚特別支援学校をコラボレーションパートナーとして、幼い段階から視覚に障害がある子どもたちのための絵本を模索しました。視覚障害児教育についての講義、幼稚部・育児学級の子どもたちとの交流による観察、視覚障害児のための絵本の現状研究から、必要な絵本とは?と考え、「さわること、ふれることが楽しい絵本」をテーマに試作を重ねて制作しました。出来上がった絵本は子どもたちにさわって楽しんでもらい、特別支援学校の先生方の講評を受けました。

 

2年次

2年次ヒーリング・デザイン実習A
(空間表現) 2018

公共や福祉の為に、より快適な空間を作り出す方法や手法について学ぶ
  2年次ヒーリング・デザイン実習B
(デジタル表現) 2018

コンピュータを使ったヴィジュアルコミュニケーションを学ぶ

第1課題では、「○○のパブリックスペース」を考え、20分の1の模型で表現する。
第2課題では、グループワークにより指定された場所の「教室天井と廊下天井への空間装飾デザイン」をヒーリング表現の観点から考え、様々な素材を使って実寸で実際の空間演出表現を行う。

グラフィックデザインの基礎知識から、制作手段であるデジタルワークのスキルを身につけ、印刷メディアを通した情報のコミュニケーションを学習しました。2018年度は松本歯科大学オリジナルワインのラベルデザインの提案を行いました。

2年次壁画技法演習 2018
1年次で学んだ技法、考えを基礎に、表現を発展させた平面作品の制作を行う
  2年次コンピュータグラフィックス演習 2018
大型グラフィックスの制作を体験する

演習ではさびの表現やステンシル技法を学びました。最終課題では、個人とグループに分かれて制作を行い、個人制作では学んだ技法からいずれかを選択し、個性を織り交ぜた作品制作を行いました。グループ制作では、杉並キャンパス2号館 地下1階 カフェテリア内の約8m×1.4mの壁面を制作しました。今年度は100号キャンバス4枚綴りとして、女子美生の1日を表現した「Life」というタイトルの作品と、美大らしい個性的な色彩で大樹を描いた「キニナルキ」という2種類の作品を完成させました。

コンピュータを用いて手書きの風合に加工したドアを飾る大型グラフィック作品を制作しました。
また、画像制作のために必要な画像データの特性やソフトウェアの操作方法を学びながら、デジタルによる表現方法について総合的な理解を深め、課題制作を通て実践のための基本的な技法を習得しました。

2年次装丁技法演習 2018
本という形態に仕立てる技法を体験し、自身で製本する工程を学ぶ
  2年次絵本制作基礎演習 2018
対象と向き合う絵本の制作を学ぶ

和綴じの演習からはじめ、いくつかの基本的な製本の演習を行って、本の構造や素材選び、製本の技術について学びました。最終課題では「私のデザイン帖」というテーマで、手帖としての機能と自由に描き込めるページを含んだ、自分が愛着を持って使える本をデザイン・制作しました。

“命と向き合う絵本”をテーマに制作を行いました。学生たちそれぞれがテーマに真摯に向き合い、「命」という1つのテーマから様々な広がりを見せた絵本が完成しました。

1年次

1年次アート・デザイン表現基礎演習A(CGデザイン)2018
グラフィックデザインの基本を学ぶ
  1年次アート・デザイン表現基礎演習B(絵画)2018
絵画について学ぶ

指定された童謡 10 作品の中から1点を選び題材とし、その童謡を主題としてブックカバーのデザインを制作しました。
Illustrator、Photoshopなどソフトウェアのコンピュータスキルを身につけ、グラフィックデザインの基礎を学びました。

全ての造形の基本となるデッサンをすることで、デッサンとは何か、モノを観て表現をするとはどういうことなのかを追求します。初めは、小さな画面で少ないモチーフを用いた静物デッサンをし、次の人体デッサンにより、構図、形、質、量、動勢など、二次元表現をする上で必要な観察力と表現力を身につけました。

1年次アート・デザイン表現基礎演習C(工芸)2018
工芸(織・編)について学ぶ
  1年次アート・デザイン表現基礎演習D(立体)2018
立体について学ぶ

糸から布の制作(織・編)の基本的な知識や技術を学びました。人の暮らしの中で”心地よさ”とは何かについて考察し、各自のイメージ・コンセプトに合わせ各種素材に触れながら、身体を包む・巻く・覆い彩る作品制作を行いました。

段ボールで人の頭部を作る事を通じて、立体制作の基礎を学びました。
まずは粘土や段ボールで面を構成し、立体感をとらえる練習をしました。次に抽象表現練習を行い、素材の持つ可能性を追求しました。

1年次素材表現演習A(平面表現) 2018
画材の使用体験から壁画技法を中心に、平面作品表現の新たな発見と創造の方法を学ぶ
  1年次素材表現演習B(立体表現) 2018
各種造形素材の性質、制約、素材自体の美しさ、素材と形態の関係を整理し、それらに適した造形的処理、加工方法などを実際に体験し学ぶ

様々な種類の刷毛や筆、海綿などを使用して、雲、石積み、木目の表現方法を学びました。最終課題では、それまでに学んだ技法からいずれかを選択し、基本で学んだ技術を生かしつつ、ストーリーを感じさせるような作品を制作しました。

「触れる・香る・心地よい」をテーマに、手で触れて『ここちよい』フォルムとなるよう、アイディアスケッチを練り、粘土によるラフモデルや、スタイロフォームによるスタディモデルでデザインの検討をしました。 デザイン決定後、3種類の木材を組み合わせ削り出すことにより、積層構造による“なごみ”の形を制作しました。

1年次キャラクター制作基礎演習 2018
社会におけるキャラクターの役割を考え、オリジナルキャラクターのデザイン・制作を行う
  1年次ワークショップ演習 2018
アート活動を通して社会にアプローチする方法と、グループワークによる新しい考え方の創出や発見と、創造の方法を学ぶ

キャラクターの市場調査をし、それを踏まえてオリジナルキャラクターのアイディアスケッチを行いました。アイディアスケッチを粘土で立体に起こし、さらにその立体を元にパソコンでオリジナルキャラクターを制作しました。

立場の違う人々が、心の壁を乗り越え受け入れ合う社会を〈社会包摂〉と言います。この考え方の理解を目的とした参加型のアート・ワークショップの企画・実施/ファシリテーションをしました。8班に分かれ試行錯誤を重ねて企画する過程では、各班がファシリテーターと参加者の役割を担って内容を深め合います。これは<立場の違いを超えて互いを認めること>が経験できる大切な過程となっています。また、アートの範囲を美術に限らず広く捉えていくため、マイケル・スペンサー氏と日本フィルハーモニー交響楽団による音楽エデュケーション・プログラムなども体験しました。