学生作品 STUDENT WORKS
女子美術大学

4年次

4年次卒業制作 2020
学部4年間の集大成である作品制作を行う。
各自が軸となる方向を定め、独自のテーマを設定し、卒業制作として作品を展開していく。思考・感性・表現技術・の総合された表現を目指し、制作構想のプレゼンテーションや中間報告のプレゼンテーションから、自己の考えを伝える為の発表の技術とコミュニケーション能力も深めていく。
 
 
 
 

3年次

3年次アート・デザイン表現演習Ⅱ 2020

アート・デザイン表現学科4領域の特徴的な専門科目11個の授業の中から選択し演習を体験します。普段、所属する領域では学ぶことができない演習の体験を通して、新しいスキルを身につけます。ヒーリング表現領域は2つの授業を行いました。

コラージュによるイラスト表現から、大型プリンターを使ったタペストリーへの展開   ぬいぐるみ作りの基本を学ぶ

手描きによるアナログ表現からデジタル表現への変換を習得し、イラストレーションから空間演出につながるヒーリング作品を制作。
アート・デザイン表現学科の共通選択実技として、絵具彩色した紙を素材に、コラージュ技法を用いて動物のイラストを表現し、それをPhotoshopでデジタルデータ化。今年度はオンライン授業だったため、プリンターでの出力は行えませんでしたが、例年は大型プリンターを使用して、布地(防炎マットクロス)に動物イラストを出力し、タペストリーに仕上げます。

職業としてのぬいぐるみ作りの現状を知り、布を使った立体で、今後仕事として成り立つ可能性のある分野を探ります。
初めに、基本的なボールやテディベアを制作し、そこから立体を展開図(型紙)に起こす方法を学び、オリジナルのぬいぐるみを制作しました。彩色も施し、それぞれのぬいぐるみのストーリーを思い描き、レイアウトによって出来上がってくる世界観を作り上げました。

3年次プロジェクト&コラボレーション演習 2020

メディア表現領域との合同授業で11つのプロジェクトの中から選択し、授業が進みます。
産学連携を基本として、公共団体、企業、法人等、社会とのコラボレーションにより、実現可能な目標をたててプロジェクトを立ち上げ、企画立案と運営、マネージメントを行うためにチームを編成し、問題点に対処しながらプロジェクトを円滑に進める方法を学習します。

産学連携キャラクター開発プロジェクト    

学外組織との協働による実践的な体験を通して、プロジェクトを完成させるまでに必要な発想力、コミュニケーション能力およびそれらを的確に表す表現力を獲得することを目的とした授業です。今年の産学連携キャラクター開発プロジェクトにはヒーリング表現領域とメディア表現領域の学生が参加し、コラボレーションパートナーNPOエコロジーオンラインを通して2つのキャラクター企画課題に2班ずつ、計4班で取り組みました。

   
3年次キャラクター制作演習 2020
病院での活用など、具体的な目的を設定したオリジナルキャラクターの制作を学ぶ
  3年次形態表現演習 立体制作 2020
「"おもい(想い・思い)"を包むパッケージ」

中身の魅力を伝えるために重要な役割をもつパッケージを、社会における様々な在りようから多角的に理解したうえで、紙器をベースにしたパッケージの制作を学ぶ

北里大学病院の小児病棟と連携し、病棟ではどのようなキャラクターが必要か、また、そのキャラクターを使って子どもたちに親しまれる存在となるにはどのような展開が可能かを考えながら、オリジナルキャラクターのデザインとその世界観を提案する授業を実施しました。

「ある特別なもの」が、どのような「おもい(想い・思い)」で包まれているか、具体的な「形態(かたち)」を、ヒーリングアートの視点からパッケージとして制作しました。また、立体構造を平面素材から立ち上げ、空間を構成することも学びました。

3年次絵本制作演習 2020
人と人との関係性の中で自分らしいテーマを見つけ、心から伝えたいことを、表現する意味を、絵本制作を通して深める
  3年次子どもの道具デザイン演習A
(ぬいぐるみ制作)2020

子どもの道具としてのぬいぐるみを企画・制作し、使い方や遊び方を提案する

絵本作家であるいせひでこ先生のご指導のもと、学生それぞれが今現在の自分自身と向き合い、本当に伝えたいテーマを真剣に考えて、絵本のストーリーボード(構成表)や原画を制作しました。

「幼児(6歳未満)のぬいぐるみ制作」と「子ども(6歳〜12歳)のぬいぐるみ」の2つの課題それぞれの子どもの成長に合わせたぬいぐるみを企画しました。そして、目的に応じた素材やデザイン、遊び、使い方を提案しました。

3年次子どもの道具デザイン演習B
(玩具のデザイン) 2020

生活シーンの中での使われ方、愛され方、存在感をイメージし、長く愛されるおもちゃの制作を学ぶ
  3年次壁画制作演習 2020
壁画制作演習では、実際の公共空間との恊働により院内や屋内外空間に壁画を制作・設置し、公共空間における環境作品の制作を通して、アートとデザインがいかに社会生活において重要であるかを学ぶ

長く愛される普遍的なおもちゃに取材しながら、極力オリジナル性を持ったおもちゃの制作を目指しました。
感情移入ができ長く関われる、物語性を持った普遍的な玩具や遊具を研究し、対象となる年齢や男女を設定しながら制作に取り組みました。完成した作品は、生活空間の中で使われるシーンをイメージしながらプレゼンテーションしました。今年度は、一部対面授業を取り入れながら、基本的には遠隔授業で実施しました。

順天堂大学附属練馬病院からのご依頼で、小児外来の待合スペースの壁画を制作しました。
今回の壁画制作では、診察の待ち時間で子ども達が感じる治療への恐怖や緊張を忘れさせるような楽しい仕掛けを取り入れ、14名の学生で一人一枚キャンバスに描き、14枚の絵の組み合わせで壁画を構成しました。

3年次ヒーリング・アートプロジェクト演習 2020

現代社会において、アートとデザインが社会とどのような形で関わるのかを、「ヒーリング」をコンセプトに考え、公共空間における様々な可能性を探り、またプロジェクトをどう実践していけば良いのか、その方法について模索していきます。ヒーリング・アートプロジェクト演習2020では、都内の病院と、特別支援学校の3つに分かれて、それぞれのヒーリングアートプロジェクトを展開しました。

北里大学病院小児病棟でのオリジナルキャラクターデザインを使ったプロジェクト   心身障害児総合医療療育センターでのプロジェクト

北里大学病院 小児病棟と連携し、ヒーリング表現領域前期授業「キャラクター制作演習」で提案し、採用となったキャラクターをベースにして企画を考えました。
小児病棟でのオリジナルキャラクターの様々な展開方法を探り、プレパレーション絵本やグッズ展開を目的として計4班で企画と現場での活用を提案しました。

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心身障害児総合医療療育センターと連携し、センターを利用する方やそのご家族、センターで働くスタッフの方々が快適で豊かに過ごすことができる環境作りを提案しました。提案は利用者さんの食事環境から待合室の装飾、病院キャラクターのデザインやアクティビティグッズに至るまで、多岐にわたりました。

「絵本の向こうに人がいる」対象研究からの絵本制作プロジェクト    

社会福祉法人聖友ホーム 聖乳児院のご協力をいただき、乳児院に入院している子どもたちのための布絵本を制作しました。授業は2つのステージで構成されました。1つは、専門家の特別講義や乳児院の施設長の先生の講義を交え、この社会が抱える社会的擁護(保護者のいない子どもや、保護者がその役割を果たせない状態にある家庭の子どもを、社会全体の責任で保護し、養育し、困難を抱える家庭への支援を行うこと)の問題を直視し、絵本の向こうにいる子どもたちの姿を捉えていくステージ。そしてもう1つは、布絵本制作サークル「手のひらの会」の皆様のご協力を頂いての実作のステージです。素材としての布の可能性や、布絵本のポテンシャルに気づかされる取り組みとなりました。完成した作品の一部は聖友乳児院に寄贈される予定です。

 

2年次

2年次ヒーリング・デザイン実習A
(空間表現) 2020

公共や福祉の為に、より快適な空間を作り出す方法や手法について学ぶ
  2年次ヒーリング・デザイン実習B
(デジタル表現) 2020

コンピュータを使ったヴィジュアルコミュニケーションを学ぶ

第1課題では、「コンテナを使った空間」を考え、デザインから模型制作まで行いました。
第2課題では、グループワークにより自分の家を使って架設の空間をヒーリング表現の観点から考え、様々な素材を使って実寸で実際の空間演出表現を設営設置・撮影まで行ないました。

グラフィックデザインの基礎知識から、制作手段であるデジタルワークのスキルを身につけ、印刷メディアを通した情報のコミュニケーションを学習しました。2020年度は展覧会のフライヤーデザイン(タイポグラフィ)の提案を行いました。

2年次壁画技法演習 2020
1年次で学んだ技法、考えを基礎に、表現を発展させた平面作品の制作を行う
  2年次コンピュータグラフィックス演習 2020
大型グラフィックスの制作を体験する

錆と緑青錆の表現や古色素材表現を学びました。最終課題では、複数のグループに分かれ、杉並キャンパスカフェテリア内壁面に飾るための壁画企画・制作を行いました。コンペ形式で選出した2グループの企画案を元に、一人一枚キャンバスに描き、最大22枚のキャンバスを飾ります。

今年度は順天堂大学付属病院小児外来のドアに施すアートウォールと自分で選んだドアに施す童話がテーマの大型グラフィック作品をそれぞれがテーマを選択し制作しました。
どちらも手書きの風合いを生かしたデザインを目指し、順天堂大学付属病院小児外来については、今後コンペ形式で作品を選出し、施工を予定しています。
作品制作にあたり、画像制作のために必要な画像データの特性やソフトウェアの操作方法を学びながら、デジタルによる表現方法について総合的な理解を深め、課題制作を通して実践のための基本的な技法を習得しました。

2年次装丁技法演習 2020
本という形態に仕立てる技法を体験し、自身で製本する工程を学ぶ
  2年次絵本制作基礎演習 2020
対象と向き合う絵本の制作を学ぶ

いくつかの基本的な製本の演習を行って、本の構造や素材選び、製本の技術について学びました。最終課題では「私のデザイン帖」というテーマで、手帖としての機能と自由に描き込めるページを含んだ、自分が愛着を持って使える本をデザイン・制作しました。

“命と向き合う絵本”をテーマに制作を行いました。学生たちそれぞれがテーマに真摯に向き合い、「命」という1つのテーマから様々な広がりを見せた絵本が完成しました。

1年次

1年次アート・デザイン表現基礎演習B(絵画) 2020
1年生前期では、アート・デザイン表現学科の4領域それぞれが開講する4つの基礎的な実技授業を、3週間ずつかけて全て受講します。メディア表現領域が開講する「AD表現基礎演習A」ではグラフィックデザインについて、ファッションテキスタイル表現領域が開講する「AD表現基礎演習C」では工芸(織・編)について、アートプロデュース表現領域が開講する「AD表現基礎演習D」では立体について、そしてヒーリング表現領域が開講する「AD表現基礎演習B」では絵画について学びます。
  1年次素材表現演習A(平面表現) 2020
画材の使用体験から壁画技法を中心に、平面作品表現の新たな発見と創造の方法を学ぶ

全ての造形の基本となるデッサンをすることで、デッサンとは何か、モノを観て表現をするとはどういうことなのかを追求します。静物デッサン、手とモチーフデッサン、室内風景デッサンの3点の制作を通し、素材、形態、イメージの関係について考え、二次元表現することの意味を考えます。
今年度は、遠隔授業で実施しました。

様々な種類の刷毛や筆、海綿などを使用して、雲、石積み、錆と緑青の表現方法を学びました。最終課題では、それまでに学んだ技法を組み合わせ、基本で学んだ技術を生かしつつ、ストーリーを感じさせるような作品を制作しました。
今年度は、遠隔授業で実施しました。

1年次素材表現演習B(立体表現) 2020
各種造形素材の性質、制約、素材自体の美しさ、素材と形態の関係を整理し、それらに適した造形的処理、加工方法などを実際に体験し学ぶ
  1年次キャラクター制作基礎演習 2020
社会におけるキャラクターの役割を考え、オリジナルキャラクターのデザイン・制作を行う

「触れる・香る・心地よい」をテーマに、手で触れて『ここちよい』フォルムとなるよう、アイディアスケッチを練り、粘土によるラフモデルや、スタイロフォームによるスタディモデルでデザインの検討をしました。
デザイン決定後、2種類の木材を組み合わせ削り出すことにより、積層構造による“なごみ”の形を制作しました。
今年度は、一部対面授業を取り入れながら、基本的には遠隔授業で実施しました。

キャラクターの市場調査をし、それを踏まえてオリジナルキャラクターのアイディアスケッチを行いました。アイディアスケッチを粘土で立体に起こし、さらにその立体を元にパソコンでオリジナルキャラクターを制作しました。
今年度は、遠隔授業で実施しました。

1年次ワークショップ演習 2020
アート活動を通して社会にアプローチする方法と、グループワークによる新しい考え方の創出・発見・創造の方法を学ぶ。体験を通して〈社会包摂〉の概念を理解する。
「出会いと、未来へのつながりをつくるためのオンラインアートワークショップ」をテーマとする5~6人のグループワーク。出会いたい対象者の設定、クラス内での試しのワークショップを経て、改善案を提案した。
   

立場の違う人々が、心の壁を乗り越え受け入れ合う社会を〈社会包摂〉と言います。この考え方の理解を目的とした参加型のアート・ワークショップの企画・実施/ファシリテーションを学びました。8班に分かれ試行錯誤を重ねて企画する過程では、各班がファシリテーターと参加者の役割を担って内容を深め合います。これは〈立場の違いを超えて互いを認めること〉が経験できる大切な過程となっています。また、アートの範囲を美術に限らず広く捉えていくため、マイケル・スペンサー氏と日本フィルハーモニー交響楽団による音楽エデュケーション・プログラムなども体験しました。グループワークは、6 Thinking Hats(エドワード・デ・ボーノ氏提唱のメソッド)を参考にしています。